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武蔵野音楽学園

音高キャンパスライフ: 音楽 × “?” ――“音楽”と様々な教科とのコラボレーション ①

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 もう間もなく卒業を迎える附属高校3年生。本校では、そんな3年生を対象にいくつかの特別授業を組んできました。
 入間キャンパス内にあるスタジオを使用した“レコーディング体験”もその一つですが、今回は一般教科と音楽を結び付けた授業を紹介します。

♪ 「音楽×国語」 ♪

 本校の音楽科教諭の伊東光介と国語科教諭の大竹亮がタッグを組み、「音楽×国語」と題して、4回にわたる特別授業を行いました。
 「楽器を持ってオーケストラスタジオに集合!」とだけ伝えられ、生徒たちは初見で演奏させられるのかと戸惑いながら、オーケストラスタジオへ。ソルフェージュの時間なのに、そこにいるのは国語の大竹先生。生徒たちはもうわけがわからず、椅子に座ります。
  “あめんぼあかいなあいうえお (水馬赤いなあいうえお)”の始まりでお馴染みの、北原白秋の「五十音」の詩が配られ、まずはリズムよく詩を読むことからスタート。その後、谷川俊太郎さんの短い詩に対して、“言葉に反応してすぐに音で返してみよう”という問いかけが・・・ここで音楽の伊東先生の登場、コラボレーション授業が始まりました。
 詩を読む生徒と音を出して演奏する生徒の組み合わせ(楽器は2台ピアノ、声楽、管・弦楽器)が、その場で編成されていきました。徐々に状況を把握していった生徒たちでしたが、さすが音楽科の3年生!各自の専攻楽器による表現ともあって、気付くとみんな、それぞれすぐに音で反応出来ていました。その後、生誕150周年を迎えるフランスの作曲家、エリック・サティの作品を扱って、言葉が添えられている意味、それによる演奏効果について一緒に考えたりしました。
 次の時間では、生徒たちが国語の時間に作った自分たちのオリジナルの詩を扱いました。「笑顔」のテーマで書かれた生徒たちによる創作詩の朗読と、一緒に演奏するメンバーが、くじ引きによって決められます。偶然一緒になったグループで、すぐに表現を展開し、それぞれ鑑賞しあいました。少しずつ考えて音を出していく生徒たち、自分たちの作品ということもあって、思い入れを感じる表現が次々に広がっていきました。
 最後は2時間にわたって、ドイツの詩人、アイヒェンドルフの「月夜」という詩を扱いました。この詩には、シューマンやブラームスも曲をつけています。様々な自然描写を利用した比喩的ながら表現に富んでいるので、情景が描きやすく、美しく儚い、何とも魅力のある詩です。
 その詩を使って、やはりくじ引きで決まったそれぞれのグループが、メンバー同士がディスカッションをして、表現を考えて発表するということをしました。ここで出された課題は、“構成などについて話し合ってもいいが、実際に音を出しての合わせは禁止する”というものでした。それぞれのグループが積極的に話し合い、非常に多くの工夫が見られ、どれも一つの作品として表現されていました。終わってから思わず、「音を出して合わせした?」と聞いてしまったほど。自由でありながら、吟味もされている、非常に充実した空間が作られていたと思います。
 授業の終わりに、同じ詩を使って、大竹教諭と伊東教諭による一切打ち合わせなしの、朗読とピアノによるサプライズで締めくくられました。先生方が一番楽しそうでした。

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