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音高キャンパスライフ: 三ッ石潤司先生(武蔵野音楽大学教授、コレペティートア)による音楽講話が行われました
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本年度の音楽講話が、3月3日(木)に入間キャンパス:オーケストラスタジオで行われました。
音楽講話とは、本校で実施している行事の一つで、国内外で活躍されている武蔵野音楽学園の著名な先生方から直接講話をいただく貴重な機会となっています。
今年度は、武蔵野音楽大学教授として、伴奏法(オペラ)の指導を行っている三ッ石潤司先生にお話しをいただきました。
約20年間ウィーンをはじめヨーロッパでコレペティートアとして活躍してきた三ッ石潤司先生は、武蔵野音楽大学教授として、ピアノコラボレィティブアーツ(総合ピアノ合奏技法)の教鞭をとっています。
「コレペティートア」とは、歌劇場などでの音楽稽古一般はもちろん、オーケストラが奏でる音をピアノで演奏し、オペラ歌手をはじめとした各配役に対して稽古をつけるピアニストをいいます。歌手の譜読み・発音矯正・各作品への音楽的理解のサポートを行い、個々の練習の伴奏とアドバイスも行います。このように、コレペティートアの仕事は、単なる伴奏をつけるということとは異なり、相手と同等のパートナーとして、アンサンブルを通じて音楽をともに創っていく役割を担っています。そのため、扱っている作品を技術的な視点だけでなく、文化・歴史を含めた総合的な理解をも施す必要があるわけです。三ッ石先生は、コレペティートアを「縁の下の力持ち」ともおっしゃっています(「MUSASHINO for TOMORROW」89号より[2009年4月1日発行])。
音楽講話の前半は、オペラにおけるコレペティートアの役割とその仕事を具体的に説明してもらいました。
誰が歌うか、演出は誰がするか、オーケストラはどこがやるか、指揮者は誰か、様々のスタッフはどうするのか、衣装はどうするのか、コンセプトは…。
オペラが出来るまで、多くの人が関わります。まさにつくり手の視点で、先生が携わったオペラを写真や動画を使用し、貴重な舞台裏の話をしていただきました。
講話の後半は、先生によるコレペティートアの実演です。
附属高3年の声楽専攻生徒が、代表でレッスンを受けさせてもらいました。題材は、オペラ「フィガロの結婚」より “恋人よ、早くここへ”ですが、このレッスンも音楽講話が始まる前に決まったもの。そんな無理なお願いにも三ッ石先生に快諾していただき、生徒にとっての夢のレッスンが実現しました。
当然、打ち合わせもなく、合わせてもらったわけですが、そのたった十数分の公開レッスンは、非常に濃い時間となりました。
歌詞の意味はもちろん、どう歌うか、どう表現するかを意識せざるをえない指導が展開されました。
抑揚一つにとってもそうです。さらに、日本語でなくどうイタリア語で表現するか、呼吸はどこでとるか、作曲者がその作品にこめた思いは何なのか、こういった総合的な楽曲分析もふまえるレッスンは、教養の大切さを実感させます。
レッスンを受けた生徒は、「目からウロコとはこういうことです…」と感想を述べ、レッスンの時間を噛みしめていました。
講話後の生徒の積極的な質問にも真摯に答えていただきました。
三ッ石先生、大変お忙しい中ありがとうございました。
三ッ石 潤司 《プロフィール》 【学歴・取得学位】 【師事】 【職歴】 2009年、オーストリア共和国功労金章を受章。 |
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