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「自然」と「音楽」が出会う場所Ⅳ ――テーマは、「クリスマス」
〈入間キャンパス×附属高等学校 vol.9〉
山の木々も少しずつ色づき始め、空は深く澄み渡り、秋めく入間キャンパスを感じるようになりました。
「自然」と「音楽」が出会う場所:入間キャンパス。
もちろん、この二つだけでなく、様々な要素がこのキャンパスで出会い、アンサンブルを奏でます。
10月10日(土)、入間キャンパス:附属高校校舎にて、授業公開が行われました。
授業の内容は、ソルフェージュ(視奏・視唱)・重唱・重奏(金管楽器・弦楽器)・2台ピアノと連弾指導・演奏研究と多岐に渡りました。また、特別授業として世界史と音楽を組み合わせた授業「世界史×音楽」を展開しました。担当は、本校教諭秋山竜大(地理歴史公民科)と伊東光介(ソルフェージュ・音楽理論・音楽史・作曲)です。
「世界史×音楽」の授業内容を少し紹介しましょう。
テーマは、「クリスマス」です。
「クリスマス」はイエス生誕の日として有名ですが、「クリスマス(Christmas)」の語源は一体何でしょうか。そもそも、なぜ12月25日なのでしょうか。
この問いに迫るには、歴史的な背景が関わります。さらに「キリスト教」という西洋音楽にとって重要な要素を踏まえなければなりません。
また、そこには人々の生活の営みと自然が関係してきます。つまり、人々が生活する上で必要な食料の生産です。領主への税などの負担もあるため、農民にとっての食料確保は切実なものです。かつ、それは自然と向き合いながらの作業です。つまり、自然との共存であり闘いといえるでしょう。
授業では、「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」を用いました。
寒く長い冬も終わり、植物が芽吹き始める3月は播種の時期です。この作業を3月25日の受胎告知日までに終了したといわれます。
11月の絵には、穀物の不足に備え家畜である豚にドングリの実を食べさせています。農民にとっては、この季節の重要な仕事の一つで、12月にはこれらの家畜を冬の食料として確保します。畑仕事もひとまず終わり、肉を塩漬けにしたり燻製にしたりと忙しい一方で、古代ローマの頃からこの月には様々な神の祭りが催され、人々は心躍る時期だったかもしれません。
この12月にクリスマスを定めたのは4世紀です。いくつかの異教どうしの冬至の祭りをもとに決定されました。もちろんローマ皇帝と教会の影響は大きいですが、冬至、すなわちこれから日増しに日が長くなっていく「太陽」を祝い讃える「祭り」はあらゆる宗教の共通といえるわけです。植物は「死から生、再生、永遠の命」という観念を含んでおり、キリスト教における「イエス」は、「光=太陽」であり「死からの復活、永遠の生命」を約束します。
イエス生誕の話については、関連する絵画を用い、伊東教諭のピアノ演奏(フォーレ:子どもの降誕祭)とともに、説明を行いました。
ここに、世界史と音楽の“アンサンブル”が実現しました。
授業の最後は、「子どもの降誕祭」を伊東教諭のオルガン演奏で生徒・見学者の皆さんと大合唱です!
♪ ♪ ♪
今回授業で扱った「クリスマス」も長い歴史によって育まれています。
「歴史」科目は単なる暗記科目ではありません。想像力とともに理解し、様々な視点で捉え、記憶し、いろいろなことを主観的に客観的に感じ考えることが重要です。
「音楽」も長い歴史によって育まれています。
何より、「歴史」も「音楽」も、全ての根っこは「自然」です。
「自然」×「音楽」、そして、「歴史」。
「入間キャンパス」というここでしか出会えないものを見つけに、ぜひ遊びに来てください。
そして、様々なアンサンブルを奏でましょう!
関連リンク
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