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「自然」と「音楽」が出会う場所Ⅲ ――奥深い、音の「色」
〈入間キャンパス×附属高等学校 vol.8〉
9月後半の入間キャンパスでは、豪華な曼珠沙華(彼岸花)の赤い花がいたる所で咲き、秋を演出しています。
曼珠沙華(彼岸花)といえば、赤のイメージが強いですが、白の花もあります。
ここ入間キャンパスでも、白のヒガンバナが咲いています。
ちなみに、ギリシャ神話の海の女神の名前に由来するヒガンバナ類の学名:リコリス(Lycoris)として考えれば、キツネノカミソリやアマリリスなど多種多様なかたちと色を持ったヒガンバナ類が存在します。
赤のヒガンバナと白のヒガンバナ。同じ花でも色が違うことにより、印象がずいぶん変わります。
音にも「色」があります。
いわゆる「音色」です。興味深いことにこの言葉は、一般に「ねいろ」といいますが、音楽用語としては、「おんしょく」と読んで扱うことが多いのです。
同じ音でも楽器が違うことにより、印象がずいぶん変わるわけです。
大変興味深い、音の「色」。
このことを考えさせるソルフェージュの授業が高等学校で展開されました。
「聴音」の授業では、ピアノの音を聴いて五線紙に書きとります。しかし、今回はピアノではなく、他の楽器の生演奏でいつもと違う音の色を扱いました。
この授業のために、ソルフェージュ担当の伊東光介教諭が、フルートやクラリネットのための単旋律の課題、また、それらの楽器による複旋律の課題を作成し、2・3年ソルフェージュ担当の先生方で指導を行いました。
同じ高さの音であっても違う音色になると聴こえ方は当然違います。さらには、実際に書くとなるといつもと感覚が違います。生徒は戸惑いを隠せませんでしたが、それでも意欲的に取り組んでいました。
この授業でのポイントは、“演奏も生徒がすること”です。細かい休符や様々なリズムを正確に演奏しなければいけないわけで、演奏する側も聴き取る側も、皆いつも以上の緊張感が生まれ集中力も高まり、意義ある時間をつくり出していました。
他には、サクソフォーンの近代的な響きによる課題も扱い、そこから移調楽器やスコアの読み方までに展開する内容となりました。
9月26日(土)の「中学生のための音楽基礎講座2015」の翌日は、十五夜です。
いつしかセミの声が聴こえなくなりましたが、耳をすませば、秋の音色が聞こえてきます。
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